小説 鷹の口づけ


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本誌沿い

愛してる

2014.07.19  *Edit 


ずっと共に居られると疑わなかった。
愛していると伝えなくとも、自分の想いは伝わっていると思い込んでいた。
だから俺は−−−−

ファイが立つ足下に魔方陣が現れた。黒鋼の他、知世姫、蘇摩がファイを見送りに来ていた。
「じゃあね、黒様。知世姫の言う事をちゃんと聞くんだよー」
フォンフォンフォン・・・
魔法陣から発せられた光がファイを包む。
「ふん」
黒鋼は魔方陣の中に足を踏み入れた。
「! ダメっ、黒様!・・・巻き込まれちゃうよ!」
「ふん」
ファイの制止を無視して黒鋼はゆっくりとファイに近付いてゆく。
そして黒鋼がファイの腕を掴んだ時、魔方陣は二人と共に消えていた。
「姫様・・・」
蘇摩が助けを求めるように知世を見た。知世は微笑んだ。
「蘇摩、二人は大丈夫ですわ。心配ありません」
「姫様・・・」
蘇摩はまだ心配そうに魔方陣があった場所を見詰めていた。そんな蘇摩に知世姫は言った。
「あの魔方陣に入れたと言う事は、ファイさんの魔法が黒鋼を受け入れたと言う事。大丈夫です。どのような世界であろうとも、二人は一緒ですから、大丈夫ですわ」
それを聞いて蘇摩はやっと安心したようだった。
「それならば安心致しました。やはりあの二人は一緒に居なければならないと思いますから」
知世は微笑んだ。


「どうして危ないことするの!一歩間違えば死んでたかもしれないんだよ!死んだら、もう、二度と会えないのに!」
「うっせぇ奴だな」
黒鋼は耳を掻きながら面倒臭そうに言った。
「無事だったんだからいいだろうが」
そんな事はどうでもいいとばかりの黒鋼に、ファイは再び大きな声を出した。
「黒様!まさか死ぬ気だったの?!死んだらオレ・・・」
「ばーか、死んでたまるか」
「だったら!」
ファイが三度大きな声をあげたのを黒鋼は制し、言った。
「お前こそ、会わないつもりだったくせに何を言ってるんだ」
「!」
ファイは俯いた。黒鋼が自分の気持ちを見透かしているようで急に気恥ずかしくなった。
「ったく、どれだけ一緒の時間を共にしたと思ってるんだ、そのくらい分かるに決まってるだろう」
「だって・・・黒りんには・・・知世姫がいるし・・・オレは・・・なんていうか、旅の間のお相手でしかなかったのかなとか・・・」
ファイの声は自信なさげで消え入りそうだった。
「ばーか」
「もう!バカって言ったの二度目だよ!」
「ふん。バカにバカと言って何が悪い」
黒鋼は息を吐くと続けた。
「とにかく、お前は知世の事を気にし過ぎだ」
「だって・・・」
ファイは口を尖らせた。
「いいか、俺はわざわざ危険を冒してお前の魔方陣に入って来たんだ。その意味が分かるだろう?」
「え・・・じゃ・・・あ、わかんなーい!」
ファイは満面の笑みでそう言うとわざとらしく首を捻った。
「てめぇ!分かってるくせにとぼけるんじゃねぇ!」
「とぼけてないよー。オレ、バカだからわかんなーい」
「何言ってやがる!こういう時ばっかり馬鹿を認めやがって!」
ファイは一瞬逃げようとしたが、ぴたりと停止すると黒鋼に抱き付いた。
「黒様、お・し・え・て」
「うっ・・・」
ファイの甘い囁きに黒鋼はくらくらして来た。
「ね、くろりん」
ファイに畳み掛けられた黒鋼は、腹を据えるとファイをギュッと抱き締め囁いた。
「ファイ、愛してる。ずっと共に居てくれ」
かぁぁっ
ファイは黒鋼の腕の中で真っ赤になっていた。こんな風にストレートに言われたらなんと答えたら良いか分からなくなってしまう・・・
暫くの間沈黙が二人を包んだ。がついに黒鋼が口を開いた。
「返事は?」
「・・・」
「おい」
黒鋼が痺れを切らして尋ねた。ファイは真っ赤な顔で、やっと聞こえるほどの小さな声で囁いた。
「・・・オレも、愛してる・・・」
「で?」
うっ、とファイは詰まった。黒鋼はニヤニヤしながらファイの言葉を待っている。
「ずっと、一緒にいたい・・です・・・」
ゴツンッ
「なら、始めから一人で行こうとすんな」
「ご・・・ごめんっていうか、痛いよ黒様!」
「ふん。素直じゃねぇのが悪い」
「黒様だけには言われたくないんだけどー!」
黒鋼は明後日の方角を見ながら言った。
「さて、今度はどんな国だろうな?」
一瞬の間が空いた後、二人は顔を見合わせて笑いあった。



 END




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