小説 鷹の口づけ


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パラレル 」
黒ファイ地球防衛軍

19 突入

2013.07.11  *Edit 

19 突入

「では侑子、始めて下さい」
侑子は小さく頷くと、隠し扉のスイッチを押した。
グイーンという音と共に隠し扉が開く。他に誰も知らないはずの扉が不意に開き、驚いた3人は振り返った。
「はぁい、飛王先生。お久し振りねぇ?」
そこにマシンガンを構えた侑子が現れ、飛王とその仲間達は皆一様に驚きそして一斉にどよめく。
「なぜその扉を知ってるのだ!?」
侑子はそれには答えず不敵に微笑むとファイに言った。
「ファイ、もう枷は外れるわよ」
ファイは驚きつつも手足の枷を千切り侑子の後ろに逃げ込んだ。侑子は麻酔銃を渡し簡単に使い方を説明すると、銃口を飛王に向けさせ、自分は改めてマシンガンを構えて他の二人を威嚇した。
星史郎が、信じられないという表情で鬼児を壁から呼び出した。すぐにファイと侑子のの腕を捕らえたが難なく切られてしまう。星史郎は呆然としながらも次々と鬼児を呼び出すのに必死だった。
「だから生徒達をここで監視させた方が良いと言ったんですよ!」
カイルが星史郎に怒鳴った。星史郎が怒鳴り返す。
「鬼児は人の力では絶対に切れません!ありえない・・・ありえない、こんなこと!なぜ鬼児が人の力で切れるんです?!」
鬼児に絶対の信用を置いていたのだろう、星史郎は明らかに狼狽えながらカイルと言い争っている。ファイは星史郎先生は焦る事なんて絶対にないと思っていたから、その様子を驚いて見つめていた。
侑子が3人に言った。
「今機動警察がこっちに向かっているわ。法的・社会的な制裁を受けたくなかったら、直ちに催眠を解きなさい」
「むぅっ」
飛王は変な声を上げ、逃げ出そうと侑子が立っているのとは反対のドアに走り寄った。それを見て言い争っていた星史郎とカイルは慌てて後を追いかける。しかし飛王がドアを開け部屋を出るなり誰かにぶつかり跳ね返ったように派手に転んだ。
「飛王先生、柔道なら俺が付き合いますよ」
草薙だ。
「ちょうど良かった。お前、あの二人を捕らえよ!」
飛王は草薙の催眠が解けているとは思わなかったのだろう、そう命令すると自分は一目散に逃げ出そうとした。しかし草薙は動こうとはせず、後ろを振り返ると、誰かを呼んだ。
「おい俺はあっちを受け持つぞ!飛王は任せた!」
「おう!」
短く返事をして部屋に入って来た人物を見て、ファイは思わず叫んだ。
「黒鋼!」
黒鋼はファイに微笑むと、あっという間に真剣を飛王の喉元に突き付けた。
「ひぃっ!」
飛王が情けない嬌声を上げる。その間に剣道部と柔道部の生徒達がわらわらと現れ、星史郎やカイル先生達を捕らえ、腕を縛り上げ床に転がした。侑子が自ら飛王を縛り上げる。
黒鋼は真剣を鞘に収め、ファイに微笑みかけた。
「黒鋼・・・」
ファイは涙を浮かべながら黒鋼の胸に飛び込んだ。
「遅くなって悪かったな」
黒鋼もファイを力強く抱き締めた。
「ううん、来てくれてありがとう」
「やぁね、ラブシーンは二人きりの時にして欲しいわぁ」
侑子の台詞に二人はハッとして慌てて離れる。
「プッ!あはは・・・」
草薙が笑い出したのをきっかけに、皆笑い出した。そして二人も笑い出した。


しかし縛り上げられた飛王はなかなか力の秘密を話そうとはしなかった。黒鋼は痺れを切らし、乱暴に飛王の襟元を掴んで怒鳴ったが、それも効果は無かった。
ファイはふと飛王の指に輝く指輪が目に入った。まるで黒曜石のように輝く石が見事にしつらえてある。
「きれい・・・」
ファイの言葉に侑子が指輪に気付いた。
「あぁら、飛王先生ってばステキな指輪を持ってるじゃなーい?」
ギクリとした飛王に侑子は確信をこめて言った。
「この指輪が、力の元なのね?」
「そ、そんな訳ないだろう!私が男だからといって、指輪をつけてはいけないということにはならない筈だ!」
飛王の言葉は反って侑子の確信を強める事となった。
「そう。ならこれ、私が貰ってあげるわ」
「駄目だ!」
飛王は思わず叫んでいた。侑子はニヤリとほくそ笑んだ。
「あぁら、どうして?そんなに指輪が欲しいなら、退職祝いに新しい物をプレゼントしてあげるわよ?」
「こ、これは親の形見だ!」
苦し紛れに飛王は叫んだが反って墓穴を掘ることになった。
「あら、星史郎先生もカイル先生も同じ指輪をしてるようだけと?」
ぐうの音も出ない。と、不意に指輪が鳴り出した。
キーン・・・
「ああぁっ!」
飛王が頭を抱えようとしたが縛られているから激しく頭を振るしか出来ずに、激しくのたうち回った。
「・・!」
それは指輪を持っている他の二人も同じだった。一斉に体を折り曲げ苦しむその様子を皆固唾を飲んで見守っていた。
やがて三人は不意に意識を失った。
「何なんだ、今の音は・・・」
黒鋼が呟くと、侑子は三人から指輪を取り上げ、言った。
「この指輪だけでチャイムを使って催眠をかけるなんて出来る訳ないわ。多分もっと大きな石が隠されている筈よ。手分けして探しましょう」
一同は学園中を探し始めた。
その間、千歳は石の組成を調べていた。
普通は鉱物や生物などの結晶体が宝石と呼ばれるものとなる。しかしこの不思議な石は、一般的な宝石のどのタイプの結晶体でもなかった。
「こんな物質、見たことがありません」
千歳はそう言って、新たな研究材料に胸を膨らませていた。


そしてチャイムに催眠をかけていた宝石は、放送室にあった。
男性が一抱えするほど大きいその石は、指輪の時には分かりにくかったが、黒光りし、時折虹色に輝く不思議な色をしていた。
侑子はその石を皆から見えるように中央に置くと、気持ち良さそうにマシンガンをぶっ放した。
ガガガガガガ
大きな宝石は、あっという間に粉々になった。


飛王は副理事長の地位を剥奪され、星史郎、カイル両先生と共に懲戒免職処分となった。
「また変な事を起こさなければいいが」
心配そうに黒鋼が言うと侑子は言った。
「大丈夫よ、心神耗弱って事で、法的な手続きを一人でする事が出来ない成年被後見人にしといたから。簡単に言うと、未成年者と同じで保護者代わりの『後見人』がいるのよ」
「へぇ、じゃぁ後見人になる人はしっかりと飛王先生を見ていないといけませんね」
ファイが言うと侑子は笑った。
「飛王達の後見人はあたしよ」






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