小説 鷹の口づけ


スポンサー広告

スポンサーサイト

--.--.--  *Edit 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



*Edit TB(-) | CO(-) 

パラレル 」
黒ファイ地球防衛軍

18 二人の想い

2013.07.10  *Edit 

18 二人の想い

黒鋼は複雑な気持ちで剣道部と柔道部の皆の報告を聞いていた。
当たり前のようにデートをしてキスまでした自分を、ファイはどのように思っているのだろう。今から思えば見舞いに行った日にファイがあれだけ狼狽えていたのも頷ける。
しかもファイをこの事件に巻き込んでしまったのは俺なのに、ファイが捕らえられてしまったのだ。もしもファイに何かあったらと思うと、激しく胸が痛んだ。

黒鋼のそんな様子を、知世もまた複雑な表情で見つめていた。
物心ついた時から一緒にいた黒鋼のことを、知世はずっと好きだった。
兄妹として育った二人だったから、ひょんなことから従兄妹であることを知った時、知世は、ずっと抱いていた罪悪感から解放された気がした。
それなのに、ほんの数ヶ月前まで誰のものでもなかった黒鋼は、突然現れた金髪の美人に、そう、正に「心奪われて」しまったのだ。


 柔道場で正気を取り返した柔道部員と剣道部員は、状況の説明を受け、すぐにでも飛王のいるだろう理事長室へと殴り込みそうな勢いで怒っていた。それを何とか主将二人で押しとどめ、侑子が計画を説明する。
「まずあたしが気付かれないように部屋へ忍び込んで飛王の不意を突くわ。それで捕らえられれば一番いいけど、逃げ出さないように廊下へ出る扉のところでで待ち伏せする役が必要よ」
ここで天照が説明を代わり、千歳が用意していたスクリーンに図面を映し出した。
「侑子はこの隠し扉から中に入り、ファイの足枷を外し、飛王達を攪乱します。そして飛王達が逃げ込むだろう通路へと繋がる扉は二つありますから、こちらを柔道部員に、こちらを剣道部員に抑えて貰います。あぁ、黒鋼は後から登場した方が王子様のようで宜しいんではなくて?」
「なっ、なんだよ、それ!?俺も剣道部員と一緒で良いだろう?」
黒鋼は真っ赤になって抗議した。
それを見ていた知世は、誰にも気付かれないように小さな溜息を吐くと、覚悟を決めて口を開いた。
「黒鋼、飛王はどちらの扉に近い場所にいるか判りませんわ。どちらか逃げだそうとしても良いように、部員達とは別行動にした方がよいのでは?自分で捕まえたいのでしょう?」
ファイのために、という言葉は喉の奥に呑み込んだ。
「ま、まぁな・・・わかったよ」
「きゃぁ、姫を助け出す王子様の活躍が楽しみねぇ!」
侑子が黒鋼をからかう。
「うっせぇんだよ!」
黒鋼の顔は真っ赤で、一同はドッと笑った。ただし、知世を除いてだったが。


翌日ようやく準備が整い、一同は再び柔道場に集まっていた。
「いよいよ飛王達をやっつけるわよー!」
「おおっ!」
侑子の声にあちこちから鬨の声が上がる。
「しかし今更だが向こうが銃とか持ってたらどうするんだ?」
草薙が黒鋼に尋ねた。
「いや、大丈夫だろ? ファイが捕まってる部屋は訓練場じゃないし、飛王が持ってたとしてもマグナムとかだろ、多分」
「やっぱ危ねーじゃねぇか」
草薙が眉根を寄せる。
「連発できないんだから何とかなるって」
二人で無責任な会話をしていると、知世がやってきた。
「黒鋼、私は足手まといになりますから今回は参加致しません。くれぐれもドジを踏まないようにお気をつけ下さいね」
「余計なお世話だ!」
「ほほほほ・・・」
知世は笑いながら柔道場から出て行った。
「あれ?あいつ参加しないなら何で今日ここに来たんだ?」
ふと湧いた疑問を呟くと、草薙が気の毒そうに知世を見送り、そして黒鋼を見た。
「一応最後まで見届けたかったんだろ、ほら、行くぞ!」
「あ、あぁ」
いよいよ決戦が始まるのだ。


侑子はマシンガンと麻酔銃を持ち、飛王達しか知らないはずの隠し扉の入口に立った。
天照は得意の薙刀を持ち、黒鋼は竹刀を真剣に持ち替えて待機している。
千歳は全員につけた無線に例の地下室から指示を出し、万一の不測の事態に備える。そして傍には知世がいた。
部員達は指示された場所に待機が完了し、飛王は袋のネズミも同然だ。
千歳は全ての部屋と無線にに異常がないこと、飛王達3人がファイが拘束されている部屋にいることを確認すると、マイクに向かって作戦開始を告げた。
「では侑子、始めて下さい」
侑子は小さく頷くと、隠し扉のスイッチを押した。







*Edit TB(-) | CO(0)

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
 ◆Home  ◆Novel List  ◆All  ◆通常ブログ画面  ▲PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。