小説 鷹の口づけ


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パラレル 」
黒ファイ地球防衛軍

12.侑子からの手紙

2013.06.29  *Edit 

12.侑子からの手紙

「黒鋼、手紙が届いていますよ」
天照から封書を受け取った黒鋼は、怪訝そうに封筒を観察した。蝶が描かれた封筒は宛名もなければ差出人もない。天照を見やると、彼女は言った。
「侑子からです。私宛の手紙に隠して送ってきました。どうやら侑子は何か大きな事件に巻き込まれた様なのです・・・」
大きな事件と聞き、黒鋼ははっとして、封筒を開けた。便せんが一枚入っていた。
「     」
何も書いていない。
「なんだよ、白紙じゃねぇか」
黒鋼が悪態をつくと、天照は言った。
「つまり、何も書けない。それ程の危機にいると言う事だと思いますが、何か心当たりは有りませんか? わざわざ貴方に手紙を送るには理由があるはずです」
「・・・」
黒鋼は答えられなかった。叔母である天照だが、堀鍔学園の教員であり、必ずしも催眠にかかってないとは言い切れない。それにまだ侑子のピンチが飛王と関係あるかもわからない。そう言えば、なぜ理事長が変わったのだろう。例え乗っとられたとしても、少なくとも表向きの理由があるはずだ。黒鋼は口を開いた。
「なぜ侑子先生は理事長を辞めたんだ?」
天照は溜め息を吐くと言った。
「訊いているのはこちらだというのに。侑子は辞めたくて辞めた訳ではないと思います。理由はわたくしも知りません」
「知らない?」
黒鋼は眼を見開いて驚いた。侑子と天照は幼馴染みで、侑子が暇な時はよく国語科職員室に来ている事は黒鋼も知っていたからだ。
天照は頷いて答えた。
「飛王理事長によると侑子は旅行に行くと言っていたそうですが、わたくしは何も聞いていません。いつもなら旅行前から計画を語り、旅行中にはメールで写真を送ってくれるのですが、今回はもう3ヶ月も、何も連絡がないのです」
「そうか・・・」
黒鋼は呟くと指を組んで考え込んだ。
ならば侑子は失踪又は拉致られたと考えて良いだろう。手紙を送れるということは、自ら失踪したのか。なぜ黒鋼が飛王を探っていると知っているのかわからないが、助けを求めているのだろうか。
「それで、黒鋼には心当たりはないのですか?」
痺れを切らし、天照は再度尋ねた。黒鋼は天照を真直ぐに見つめると言った。
「あんたは、7時間目がある事を知っているか?」
天照は思い詰めた様に、ゆっくりと言った。
「・・・週に一度、ね・・・」
意外な答えに黒鋼は凍り付いた。まさか、天照さえ飛王の仲間だったのだろうか。天照は言った。
「侑子からの手紙には不思議な香りの香水がついていました。いつも彼女が使っているものとは違うものです。そしてその匂いをかいだ時、わたくしは正気に戻りました」
「正気って、じゃぁ」
黒鋼の言葉の後を天照は引き取った。
「そう、私も催眠にかかっていたようです・・・。だからこそ、侑子から連絡が無くなって3ヶ月も、何もしなかったのです・・・」
「あんたはどう思う?手紙を送れるくらいなのだから、生きては居るんだろうが」
天照は微笑むと言った。
「生きているのは確かでしょう、あの理事長室は特別製です。一時、忍者スタイルを気に入った侑子があちこちに隠し扉や隠し階段を造っていましたから、逃げることは簡単だったはずです」
「なんだそりゃ。まぁ、役に立ったならいいけどな・・・」
黒鋼は呆れた。やっぱりあの理事長は変なヤツだ。
「そう言えば、なぜこの何も書いていない封筒が俺宛だと判ったんだ?」
「私の手紙には『この封筒を弟に渡して』とだけ書かれていました。侑子には弟妹は居ませんし、私の弟妹は知世しか居ませんから、私の弟と言えば黒鋼、貴方のことでしょう」
「じゃあ、俺宛の手紙は白紙なのは? 肝心なことが書いてないんじゃSOSだとしても助けようがないよな」
「そうですね・・・」
二人は考え込んでしまった。






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