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小説 鷹の口づけ


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堀鍔学園」
堀鍔学園(つづきもの)

ユウイの告白3

2010.12.10  *Edit 

ピンポン
玄関のチャイムがなり、ファイがドアを開けるとユウイが立っていた。まだ完全に乾き切っていない髪のまま、難しい顔をしている。ファイは驚いてユウイを部屋の中に入れた。
「どうしたの?まだ髪が濡れてるじゃない!」
そう言うと自分が使っていたばかりのドライヤーのコンセントを差し直し、轟々(ごうごう)とユウイの髪を乾かし始めた。乾かしながら、ユウイの表情から大事な事を話しに来たのだと判った。
「ユウイ、話って何?」
ユウイは悲しそうに微笑んだ。やはり何も言わなくてもファイには分かってしまう。始めから隠しておく事など出来ないのだ。ユウイは意を決して口を開いた。
「ゴメンね、ファイ。おれ、やっぱり黒鋼先生が好きなんだ…」
ファイはある程度予想していたとは言え、表情を無くしたまま聴いていた。
「おれ、黒鋼先生の事諦めようと思ってたんだ。でも、昨日・・・黒鋼先生が・・・」
ユウイは瞳に涙を浮かべ、少しだけ俯いたまま話し続けた。
「黒鋼先生がきっとファイと間違えて・・・キスされたら・・・もう好きって気持ちが止まらなくて・・ごめんね、先生はファイのものなのに」
「・・・」
「きっとファイとおれを間違えたんだと思うけど・・・でも」
「でも?」
ユウイは小さな声で言った。
「おれ、黒鋼先生もファイも大好きだしどちらかなんて選べないよ。あんな事になっちゃって、おれ、黒鋼先生が初めての人だし・・・。もし本気だったらいいなって思っちゃうし・・・好きになっちゃダメだって分かってるのに、止まらなくて・・・」
ユウイはポロポロと涙を零しながら、心中を吐露した。ファイはショックのあまり呆然としていた。
「初めての人」。
ユウイが誘うとは思えない。黒鋼はどういうつもりなのだろうか。
「黒ぽんは・・」
しかしファイの声は音になっていなかった。
「ファイ、本当にごめんね。おれ、もう絶対そんな事にならないように気をつけるから・・・許してね・・・」
泣きながら謝るユウイの涙を手で拭ってやりながら、ファイは訊いた。
「黒様はユウイの事なんて言ったの?」
「何も。だからどうしてそんな事になったのか分からなくて・・・」
「じゃ、黒様に告白しようよ。オレ達二人で」
「二人で?」
「そうすればユウイの気持ちも黒たんに伝わるし、二人で行けばどういう気持ちなのか解ると思わない?」
「でも・・・」
ユウイは気が進まなかった。昨日と今日の黒鋼の様子から判断すると(といってもまだよく解らない所もあるが)、確信犯で襲った可能性もあるのだ。
「ね、二人なら大丈夫だよ、きっと」
ファイが重ねて言った。
「うーん、でもおれだけ振られちゃったら・・・」
「そうしたら、オレ、黒たんと別れる!」
「そんなのダメだよ!」
ユウイは叫んだ。
「いいよ。大丈夫。だってこれからもオレ達はこの学校で先生を続けなきゃいけないんだし、また二人に戻るだけだよ」
「ファイ・・・」
眼を潤ませてユウイは声を零した。
「ね、それにもしオレ達を振ったとしたら、黒様が美味しいお弁当を食べられなくなるだけだしね。その時は黒様に学食の方で食べてもらえばいいじゃん」
ファイはにっこりと微笑んだ。
「じゃお弁当が人質?」
「ふふ。そうだね」
二人は声をたてて笑った。


つづく



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