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小説 鷹の口づけ


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本誌沿い

包帯

2009.11.17  *Edit 

「お返しだよ、黒様」
「・・・ぶっとばすぞ、てめぇ」
一瞬の沈黙。ファイはすとんと黒鋼の隣に座った。
「ん?」
ファイは一転しおらしく下を向いている。そして意を決したように黒鋼に向き直った。
「ありがとう、黒様。オレ、あの時黒様が助かるならオレが犠牲になってもいいって思ったんだ。でも、今は一緒にいられて嬉しい。本当にありがとう。」
「何言ってんだか」
「何ってだからありがとうって・・・」
言いかけるのを黒鋼は制して言った。
「あれはオレがそうしたいと思ったからやったんだ。おめぇに頼まれた訳じゃあるめぇし、礼なんかいらねぇ。」
ブスッとしたままだが、少し照れている。ファイはフッと笑った。
(なんだか黒様かわいいや。)
ちょっぴり意地悪な気分でファイは言った。
「でもねー。ごめんは言わないよー。」
「あ?」
不機嫌そうに黒鋼は眉間にしわを寄せた。まぁ、謝る必要なんて無いのだが。
「左腕のこと。何で腕を切っちゃったのー?」
「あー?何言ってんだ、おまえを助けるのにこうなったんだろうが!」
「あはははは、そうじゃなくてー。」
ファイはおなかを抱えて笑い出す。
ますます黒鋼は不機嫌になった。元気になったのはいいが、これじゃ前より質が悪い。不機嫌になった黒鋼を見て、ファイは「ごめんごめん」と笑うのを何とかやめた。
ちょっとだけ黒鋼に近づく。そして言った。
「知世ちゃんにしかられたよ。謝られても黒鋼の腕は戻りません、だって」
「?」
「オレが蘇摩さんに治療してもらってる時、『黒様が起きるまで側にいて、起きたらすぐ謝らなくちゃ』って言ったんだ。そしたらさ・・。」
「あぁ・・」
「オレ、そう言われてもだからこそ謝らなきゃって言ったんだけど。なんか違ってたみたいー」
へにゃん、とファイは笑った。
「そうだな・・。」
黒鋼は少しだけ目を伏せて答えた。
「俺は腕を落としたことを悔いる気持ちはねぇ。」
「うん。さっき待ってる時に聞こえたよー。」
ファイはにっこり笑って続けた。
「だからねー。絶対謝らないのー。だって、オレは、黒様の『大切な人』なんでしょー?」
「ぶわっ、な、何言ってんだ! アホかてめぇは!」
大きく目を見開き、あわてふためく黒鋼。
「えー、だって知世ちゃんが言ってたよー。それに黒様も言ってたじゃない」
「な・に・を・だっ!」
「わー、黒様怒りマックスって感じー」
「ふざけてないで早く言えっ!」
ファイはひょうひょうと言ってのけた。
「んー、だからー。オレと共に生きたいって思ったから腕を落としたんでしょー? それに大切なオレをあの術をかけた奴に奪われたくなかったから助けてくれたんじゃないのー?」
「『生きたい』じゃなくて『行きたい』だっ!」
間髪入れずに黒鋼は訂正した。そして続けた。と言うより怒鳴った。
「共に旅をしている仲間だろうがっ!」
「きゃー黒様こわーい」
「!!」
黒鋼はげんこつを繰り出した。
パシッ!
ファイは難なく受け止め、その手を掴まえたまま、悔しそうにしている黒鋼に言った。
「片腕の黒様なんかに負けないもんねー。それに、オレは利き腕と同じくらい大事なんでしょー? だって後悔してないんだよねー?」
「!!! てめぇ・・・。」
「!」
一瞬怒鳴ろうとしてニヤリとした黒鋼は、ファイに腕を掴まれたまま、その手をグイっと引っ張った。
「あっ」
さすがにこれは不意打ちだったらしい。ファイは思わず手を離し、黒鋼の上に倒れ込んだ。
形勢逆転。
片腕ではついでに組み伏せるというわけにはいかなかったが、黒鋼は逃げようとしたファイのあごを持ち上げた。
「しょうがねぇな・・」
呟くと優しくくちづけた。
「んっ・・」
押しつけられたのはほんの少し。絡め合った舌がファイの身体の力をぬいてゆく。黒鋼は、いつもより低い声で耳元にささやいた。
「あぁ、そうだ。あの時はっきりわかった。おまえが大切だ」
ファイの中を幸せがゆっくりと広がってゆく。ずっと、知りたかった。黒様にとって、オレは何なのか。思わず涙がこぼれた。はっと、驚き不機嫌な顔で黒鋼が言った。
「何で泣くんだ・・」
「だって、そんなこと初めて黒様に言われたから・・なんか・・幸せで・・」
「アホか」
「アホじゃないもん、嬉しかったんだもん!」
ぽかぽかと黒鋼の胸をたたく。そんなファイを見て、黒鋼は笑った。
「やっぱりアホじゃねぇか」
ぷくぅ、とむくれ、また胸をたたきだしたファイに、黒鋼は言った。
「そんなことより、もうたたくのやめろ。包帯に血がにじんできた」
「ご、ごめん」
ファイはあわててとびのいた。黒鋼は天井を仰ぐと言った。
「おい、蘇摩。いるんだろ。」
「え?」
あわてて上を見上げたファイ。
(誰かいたの?知ってて黒様キス・・・)
天井があるから見えなかったと思うが、ファイは真っ赤になって下を向いた。
「包帯持ってこい。自分で替えるから手伝いはいらねぇから。」
ファイの様子に気づかないまま黒鋼がそう言うと、言われてみればかすかな気配とともに誰かが移動していったのがわかった。
「黒むー。知っててあんなことしたの?」
「あ?何のことだ?」
とぼける黒鋼にファイは言った。
「だから! 蘇摩さんがいたの知っててキスとかしたの?」
「とか? あぁ、続きをして欲しかったのか?」
意地悪く言う黒鋼に抗議の声を上げようとしたその時、襖の向こうで声がした。
「黒鋼、こちらにおいておきます。」
「それと、姫様から伝言です。傷に障るようなことはしないように、と」
「うっせぇ、って言っとけ」
「黒鋼!」
二人のやりとりが続く中、ファイはぽかんとしたままだった。そしてやっと思考能力が回復した時、黒鋼が言った。
「おい、ぼけっとしてねぇで向こうの部屋から包帯持ってこい」
「あ、うん」
篭に山のように積まれた包帯は、いくら黒鋼の身体が大きいと言ってもずいぶん沢山あった。黒鋼はニヤリとして呟いた。
「気が利くじゃねぇか、蘇摩の奴」
「?」
「おい、手伝え」
「うん。さっきたたいたの、痛かった?」
「あ?あんなん痛いかよ」
ちょっぴりの幸せと、黒鋼の身体のたくましさを感じながら、包帯を替えた。腕のことは切ないけれど・・・。
「完全に出血が止まるまでもう少しかかりそうだねー」
「あぁ。多分もう少しかかるだろうな」
妙に確信を込めた言い方にファイは顔を上げた。
「終わったか?」
「あ、うん。はい、終わりー」
言ったか言わないか。
一瞬にして、ファイは黒鋼の下にいた。
「??」
何が起きたのかわからない。結果からすると、黒鋼は右腕だけでファイを押し倒したらしい。ファイはあわてて言った。
「知世ちゃんが傷に障るようなこと・・・」
いや、言おうとして黒鋼に口をふさがれた。黒鋼は唇を離すとニヤリとして言った。
「どんな傷に障ることを想像してんだ?」
「!」
「言え」
ふるふると頭を横に振る。なおも黒鋼は言った。
「言え」
また、頭を横に振る。
「言わねぇと犯すぞ」
「! そんなぁ、同じじゃん!」
思わず言ってしまった。真っ赤になるのが自分でもわかった。ちらりと黒鋼を見ると、満足げに見下ろしている。
「やるぞ」
「・・・うん・・でも・・」
「何だ」
「蘇摩さんが・・。それに黒ぽん傷、痛いでしょ?」
「蘇摩はもう行っちまったろ。それに傷や痛みはやってる間は関係ねぇ」
確かに、蘇摩を始め、人の気配は全くなかった。
「~~~。」
「何のために包帯がもう一組あると思ってんだ。後でもう一度替えろよ」
黒鋼はそう言うと、ファイの首筋に舌をはわせ、耳たぶを甘噛みする。
「あっ・・」
舌を動かすたび、なまめかしい声がファイから漏れる。黒鋼は暫くその声を楽しんでいたが、片腕では以前のようにいかず、起き上がった。
「黒様?」
「腕がいてぇ」
「大丈夫?やっぱり無理だよ。ね、やめよう。」
ファイが心配そうに、でもどこか残念そうに言った。が、黒鋼はこう言った。
「おまえ、上に乗れ」
「えー!」
しれっとして言う黒鋼に耳まで真っ赤になった。しかし手を取られ、導かれるとやはり欲しくなってしまう。
「おい上、って言って・・う・・」
ファイは上に乗るのではなく、黒鋼のものを口に含むと愛撫を始めた。ずっと、黒鋼と呼んでからは一度も躯を重ねることはなかった。インフィニティで血をもらうときも、ただ、血を吸うだけ。本当のことを言えば、一つになりたかったけれど、あの時は黒鋼への怒りがそれを上回っていたのだ。
黒鋼の腕がファイに伸びる。不意に掴まれて、ファイはピクンと反応した。つい、口が止まる。
「ちゃんと最後までやれ」
そう言った時、それまで少しずつ滴っていたファイの先から、一気に愛液が飛び散った。
「おい、ちょっと握っただけだぞ・・」
「はぁ・・はぁ・・」
ファイの息づかいに、黒鋼はさらにそそり立った。意地悪な瞳でファイを視姦するように見つめる。
「ずいぶん溜まってたみたいだな。」
そう言ってファイを後ろ向きにさせると、腰をぐっと引き寄せる。
「あぁ・・ん」
秘部を貫いた瞬間のファイの嬌声はいつも色っぽい。久しぶりの旋律に、黒鋼は目を閉じた。
「!やべっ」
思わず口に出すと自身を引き抜いた。白い液体が勢いよく飛び散り、声に振り向いたファイの顔にかかる。
「! 黒むう・・ひどい~」
「振り向くのが悪いんだろ。ほら」
ファイはとりあえず顔をふいたが、文句を言い足りないとばかりに口を開けようとした。
「最初の続きやれ」
黒鋼はそう言うとその口に再び自身を押し込んだ。ファイは何も言わずに愛撫を始める。黒鋼は、腕を伸ばしてファイの胸の飾りをつまんでみた。
「ん、んんっ・・」
身をよじらせ、でも今度は口は離さずにファイは嬌声を上げた。片手で左右同時に触るにはちょっとやりにくい。
「おい、やめろ。」
「?」
ファイは不思議そうに顔を上げた。黒鋼はファイを立ち膝にさせた。
「あっあっ・・」
舌で胸を刺激しながら片手はファイ自身を愛撫する。心地よい刺激と時折激しくなる刺激に思わずのけぞるファイを倒さないように、強く握りすぎないように気をつけながら、愛撫を続ける。あまりに何度も倒れそうになるのでついには壁の前で続けた。
「黒様ぁ、もう、オレ、あぁ・・」
静まりかえった部屋にファイの嬌声とぴちゃぴちゃという音が響く。
「黒様、お願い・・お願い・・・」
ファイの哀願に、黒鋼は意地悪く言った。
「はっきり言ってみろ。」
「オレに、黒様の、入れて・・お願い・・・」
息も絶え絶えに、愛液をしたらせながら懇願するファイを、黒鋼は望み通り貫いた。
前になり、後ろになり、何度果てただろうか。二人は包帯を替えなければならないことも忘れ、深い眠りにおちた。



END





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